レント

長い旅でした。

長い、長い、旅でした。

主に従うことの厳しさを、

ペテロは涙を以て表しましたが、

私には、涙する良心もありません。

罪をしらぬ人間の末路は、

神との断絶でしょうか。

しかし、

どこへ行っても逃れられない

神の目に、ようやく涙する時が訪れました。

神は、どこへ行っても

この私を見捨てることは

なさいませんでした。

ペテロの涙は、

血のように流れ出ました。

この痛みは、十字架の痛み。

血の涙を流す者だけが、

主の死至る、痛みを知るのでしょう。

私も、ようやく、

その時が訪れたかもしれません。

長い、長い、旅路の末に。