それから

彼らの話をします。

 彼らは、月末には大変賑やかになり、月初めは一二日、或は三日、静かになります。私の想像では、業績の報告、評価があり、また、次の作戦など練られる期間ではないかと考えています。例えば、8月の末には、何台も連ねて海までついて来たり、図書館へついて来たり、大名行列ですが、月初にはぴたりと姿が見えなくなります。また、その段階で人が入れ替わるようでもあり、指示号令役が変っていたりします。具体的には、ATMに人を配備するのに、当然、本人はそこに居て確認しているのですが、その係の人が入れ替わっているという感じですね。

 また、夜7時に”お宿”へ帰る彼らは、suzumi の交差点を左折するのに、長々と列を作っていたりしました。左折したところに”お宿”があるのでしょうね。祈祷会の時間と重なっていましたので、目撃した次第です。

 例の水色の鳥打帽は、年若い者に指図されていましたから、正式なメンバーではないのだろうと思ってみていました。車も違うし、顔を曝してくるところから、そう思ったのですが、その鳥打帽が人を集めて、人を配置して、自分の組織を動かしているという感じでした。ものすごく熱心で、道路工事の仲間に入って居たり、ドラッグストアについてきたり、プチドライブに出た時、後ろから追い抜いてきて、すれ違いざまにへらっと笑って来たりしていました。一度、車を他に置いてきて、自宅に潜んでいた時など、彼はそれに感づいて、家の向かいのハンコ屋のポストの前に、ずっと待機して、わが家を窺っていたりもしました。勘のいい人だと思いました。その熱心さは、他に使えないのかと残念に思っていましたが、あれは、10月初めだったか、しばらく見ないと思っていたら、いきなり水色のベンツで現れて、市役所あたりを彷徨していたから驚きました。見間違いかもしれませんが、あの鳥打帽はそうだと思います。なるほど、今回の業績が認められて、それがこのご褒美だったわけですね。出世というのでしょうか。これで、多分、このグループから認められたのでしょう。凱旋に来たように思えました。だから、あんなに熱心だったわけですね。これが彼らの世界、ルールなのだろうと納得していました。それから冬になり、春になり、彼の姿は見ていないので、別の場所か人を使っているのか、見ても分からないのか、とにかく、私は目にしていません。私の感想では、彼らは年齢がわかりません。社会性がないからか、顔を見ても、やけに幼く見えたり、老けて見えたり、私の尺度では顔から年齢は判別不可、です。数人、この辺りに住んでいるのは、顔を見たら分かりますが、他は、服装を変えたりされたら、目の前に居ても分からないと思います。似たような人はありますし、皆、マスクですから、分からないでしょう。

 そういえば、suzumiを右折したあたりで、いつも誰かが後ろに付きました。こちらは分っているのですが、後ろなので、バックミラーで狙っても、不自然なく写真を撮るのは難しく、私の車だけ撮られて逃げられること、しばしば。その辺りに、ある”家”がありますが、腹いせに、そこだけ写真を撮ってやったりしましたね。あまりに気分の悪い映像なので、見返すことはありませんが。

 そうそう、以前書いた、BK BMWは、普段はバイクです。また、若いバイクも居たことがありました。「風」俳誌を買いに古書店へ行ったときなど、ついてきていましたし、源平郷あたりからも来ていました。バイクは顔が分かりませんが、体つきと全体の雰囲気で、むしろ分かりやすいですね。目の良くない私としては、そちらの方が判別つきやすいです。

 つらつらと書きましたが、何かの時にお役に立ちましたら幸いです。あくまで、外から見ていた私の印象ですので、事実とは異なるかもしれません。悪しからず。